ニール・スチーブンソンの『ダイヤモンド・エイジ』(日暮雅通訳,早川書房,2006)。個人的に大好きなSF小説です。雑多な感じのする近未来で、最新のテクノロジーが詰まった教育用絵本によって成長する女の子たちのお話です(説明が難しい)。 SF作品には何かしら「欲しい!」と思わせるガジェットが出てきますが、この作品の「若き淑女のための絵入り初等読本」はまさにそれ。持ち主の知的レベルに合わせたコンテンツを生成して教育するハードウェアで、読者との関係が千変万化する夢の本です。 雰囲気的にはiPad用の動く絵本がイメージに近く、あれがこのまま進化したらこうなるのかなあという感じ。でもそのためにはハードだけでなくコンテンツの進化が必要そうです。